会長挨拶

新潟県民の皆さまへ

新潟県耳鼻咽喉科医会会長 浦野 正美
会長 浦野 正美

新潟県耳鼻咽喉科医会は、新潟県内の耳鼻咽喉科医の集まりで、診療所開設者を中心に県内各地の基幹病院や新潟大学医学部勤務の先生方も合わせて会員数125名で様々な活動をしております。

当会の目的は日本耳鼻咽喉科学会の新潟県支部である日耳鼻新潟県地方部会への協力と、医会会員の診療能力の向上や福祉及び親睦への寄与です。新潟県の各地域の会員と力を合わせて、地方部会が推進する学術と保険医療、学校保健、福祉医療、医事問題、産業環境保健、広報などの地域医療活動に協力しております。
また、学問と医療技術の進歩が、多くの会員に普及するように研修活動も充実させています。

2040年問題に代表されるように、近年の急速な高齢化と少子化に対応すべく、耳鼻咽喉科診療においても様々な課題に対して日々検討しております。具体的には医師の働き方改革に伴う医療従事者の処遇改善、医療機関の役割分担、医療再編、かかりつけ医機能報告制度への対応、医療DXの推進などです。

耳鼻咽喉科領域において高齢化で問題になるのは、聴覚、平衡覚、嗅覚・味覚や嚥下機能の低下があげられます。とりわけ認知症との関連が指摘されている聴力低下、これに伴う補聴器の適切な使用の推進、誤嚥性肺炎を引き起こす嚥下機能低下への対応は当科の重要な課題です。また、国が進める新たな地域医療構想への取り組みや、地域包括ケアシステムへの協力も検討しております。

我が国は世界に冠たる国民皆保険制度により、国民の安心、安全で快適な生活が維持されていますが、今後の医療政策や人口動態、経済状況の変化により、医療を取り巻く環境はますます複雑化して、この制度の健全な運営を目指すためには医療従事者、国民、行政、政治などの多く人々との連携が不可欠です。耳鼻咽喉科医会としても関係諸機関と歩調を合わせて相互理解と持続可能な制度設計に努めております。

このような、様々な課題に対応するとともに、会員の先生方の診療技術の向上、新しい知識の吸収によって県民の皆様の健康増進と福祉に寄与できればと考えております。

令和7年6月