よういち君は、運動会の応援団長に選ばれて一生懸命練習をしたのですが、張り切りすぎたのか声がガラガラになって、元に戻らなくなってしまいました。耳鼻科でみてもらったところ学童嗄声というもので、声を作る声帯というところに結節というでっぱりができていると言われました。のどの吸入治療に通って、声の無理な使い方をしないようにすれば少しずつよくなるだろうとのことでした。
1)嗄声〈させい〉とはどういうことでしょうか。
のどの病気による声の変化には、声の「高さ」、「強さ」、「音質」の異常などがありますが、このうちの「音質」の異常を嗄声と言います。嗄声は耳で聞いた感じで、ガラガラした声(〈そぞうせい〉)、かすれた声(気息性〈きそくせい〉)、弱々しい声(無力性)、力んだ声(努力性)などに分類されます。学童期あるいは小児にみられる、主にの嗄声を学童嗄声(または、小児嗄声)と言います。
2)嗄声の原因となる病気には何がありますか。
だれでもかぜをひいたときに声がかれた経験があると思います。これはかぜの部分的な症状として、のどの奥にある声を作る声帯という場所の粘膜が炎症(喉頭炎)をおこすためです。
声の使いすぎや、無理な発声のために声帯に小さないぼのようなでっぱりができるのが、声帯結節〈せいたいけっせつ〉と言われるものです。学校や幼稚園の先生、歌手、バスガイドなど声をよく使う職業の人に多くみられます。子どもも特に男の子はスポーツで大声を出したり、声の使い方が悪いために嗄声となることがよくあります。これが学童嗄声と言われるもので、ほとんどが声帯結節などの声帯のはれによるものです。
3)学童嗄声の治療はどのようにするのでしょうか。
軽い嗄声であれば、声の安静をこころがければ自然によくなることもあります。
嗄声が1週間以上続いたり、次第に悪くなっていくような場合は、耳鼻科専門医の診察を受け、原因を見つけてもらいましょう。
治療としては、原因が声帯結節による場合、声の安静が第一ですが、発声訓練がすすめられる場合もあります。また、ネブライザー(薬液の吸入)治療や、誘因として上気道炎や副鼻腔炎が考えられる場合はその治療が必要です。
なお、嗄声が長く続いていても、声変わりの時期に声帯が前後に急激にのばされる時期があり、そのときに結節も一緒に消えてしまうことが多いのでそのまま経過観察のみでよい場合もあります。また、結節が大きいために嗄声がひどく、音楽や教科書の音読に支障があったり、友達とのコミュニケーションがうまくいかず、心理的にも悪い影響が出てきた場合には手術が必要な場合もあります。どちらの場合でも耳鼻科専門医とよくご相談してみてください。
<日本耳鼻咽喉科学会HPより抜粋>