日本耳鼻咽喉科学会 新潟県地方部会

のどの病気とその解説

扁桃炎

まこと君は、学校の耳鼻科健診で扁桃炎と診断されました。年に4~5回、のどが痛くなり高熱を出して学校を休みます。病院でみてもらうと扁桃に白いものがついているといつも言われます。このようなことが長く続くと、扁桃炎が原因になってほかの病気がおこることがあるとも言われました。

1)扁桃炎〈へんとうえん〉とかぜは違うのですか。

かぜの症状とともに扁桃炎をおこすことはよくありますが、厳密には分けて考えた方がよいでしょう。急性の扁桃炎では、扁桃が赤くはれ、白い膜のようなものが点々と、ひどくなるとべっとりと扁桃につくことがあります。これは、おもに細菌による炎症のためで、かぜとは別の病気です。このような急性扁桃炎をくり返すことを、習慣性扁桃炎または反復性扁桃炎と言います。学校健診で診断される扁桃炎はこのような状態のことを指しています。

2)扁桃が大きい(扁桃肥大)と扁桃炎をおこしやすいですか。

扁桃肥大があると扁桃炎をおこしやすいとは必ずしも言えません。むしろ、見た目は小さくても、埋もれている部分が大きいタイプの扁桃の方が、なおりにくい扁桃炎をおこしやすいものです。

3)溶連菌〈ようれんきん〉が原因の急性扁桃炎と言われました。何か注意することがありますか。

溶連菌とは、溶血性連鎖球菌の略称ですが、この細菌の感染がもとになって、腎炎〈じんえん〉や、心臓弁膜症〈しんぞうべんまくしょう〉の原因になるリウマチ熱をひきおこすことがあります。医師の指示を守り、のどの痛みなどの症状がなくなっても、一定期間抗生物質を飲む必要があります。

 

4)扁桃炎が原因になってほかの病気になることがあるのですか。

腎炎やリュウマチ熱のほかにも、扁桃炎が原因で、扁桃から離れたところに病気をひきおこすことがあります。これを病巣感染〈びょうそうかんせん〉と言い、手のひらや、足の裏にぶつぶつ(膿疱〈のうほう〉)がたくさんできる掌蹠膿胞症〈しょうせきのうほうしょう〉という病気がよく知られています。

5)どのようなときに扁桃を取らなければならないのですか。

扁桃は、人の免疫機能の一部を担っている器官なので、手術前に十分な検討が行われてから手術が決定されます。年に4~5回以上、扁桃炎のための高熱で学校を休まなくてはならないようなときや、病巣感染の原因になっているような扁桃は、手術で取ることをすすめます。

<日本耳鼻咽喉科学会HPより抜粋>